屋根の形でおしゃれな家に!デザインのポイントを解説

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屋根は建物を保護するだけではなく、家の外観を印象づける重要な役割があります。また、素材によっても屋根の形状が変わってくるため、おしゃれな家に仕上げるためには、屋根の形と素材をよく考えて設計すると良いでしょう。

この記事では、屋根の形でおしゃれな家にするために押さえておきたいデザインや素材のポイントを解説します。

家の外観全体にこだわりたい方は、次のページもご覧ください。

家の外観をおしゃれにするには?7種類のスタイルと設計のポイント

目次

屋根の形でおしゃれな家に仕上げるポイント

屋根の形でおしゃれな家に仕上げるには、いくつかポイントがあります。

  • 勾配を変化させる
  • 軒の出し方に配慮する
  • 正面のシルエットを確認する
  • 屋根の形状と素材の組み合わせを考える

それぞれ詳しく解説します。

勾配を変化させる

勾配とは、屋根につける傾斜のことです。同じ屋根の形状・素材でも、勾配を変化させるだけで外観の印象は大きく変わります。

勾配には、急勾配・並勾配・緩勾配があります。それぞれ特徴とイメージを見ていきましょう。

急勾配の屋根

急勾配の屋根は傾斜が鋭く、見る人に大胆かつシャープな印象を与えます。水はけが良く汚れにくいことから、雨漏りにも強い特徴があります。屋根を大きく目立たせたい場合は、急勾配の屋根がおすすめです。

ただし、屋根の面積が大きくなるため、メンテナンスコストは高めです。

並勾配の屋根

並勾配の屋根はシンプルで最もスタンダードな勾配で、どのようなデザインにも調和する汎用性があります。

突出したデメリットもなく、主張しすぎず街並みにもなじむ屋根にしたい場合は並勾配がおすすめですが、多くの住宅で使われているため、個性的な屋根にしたい場合は不向きです。

緩勾配の屋根

緩勾配の屋根は、傾斜が緩やかなことから落ち着いた印象に仕上がります。

モダンスタイルの家にしたい場合は、おすすめの勾配です。屋根面積を少なくすることで風の影響を受けにくくなるメリットもあります。

一方で、雨水や汚れがたまりやすく、屋根の劣化が他の勾配よりも早まる可能性があるため、メンテナンスが必要です。

軒の出し方に配慮する

「軒」とは、建物からはみ出た屋根部分のことです。同じ屋根の形でも軒の出し方によって見た目の印象が変わります。

軒が短いとシンプルでモダンな印象、軒が長いと落ち着きのある高級な印象になります。

外観をどのようなデザインにするかに応じて、軒の出し方を考えると良いでしょう。

正面のシルエットを確認する

切妻屋根や片流れ屋根などは、見る角度によって外観の印象が大きく変わります。そのため、住まいの「顔」となる正面を決めることが重要です。

正面から建物を見たときの、大まかなシルエットをイメージしながら細部を調整すると、まとまりのある外観に仕上がります。

屋根の形状と素材の組み合わせを考える

屋根の形状と素材をうまく組み合わせることで、おしゃれな外観に仕上がります。たとえば、次のような組み合わせがおすすめです。

  • 寄棟屋根にスレート(コロニアル)
  • 切妻屋根に日本瓦
  • 片流れ屋根にトタン

屋根の画像などを参考に、どのような形状と素材がマッチするのかを考えてみましょう。施工会社への相談もおすすめです。

屋根の形や素材の種類については、次章以降で紹介します。

おしゃれな屋根の形の種類

屋根の形がおしゃれだと外観のアクセントになり、メリハリのあるデザインに仕上がるでしょう。

ここでは、おしゃれな屋根の形を7種類紹介します。

1. 切妻屋根

切妻屋根は、二面の屋根を組み合わせた左右均等の形状で、正面からは山のように見えるのが特徴です。

切妻屋根のメリット切妻屋根のデメリット
建築コストを抑えられる
屋根裏を有効活用しやすい
個性を出しにくい
安価な印象を受けやすい

切妻屋根は、ロフトや小屋裏収納など屋根裏スペースを有効活用できます。また、シンプルな形状なので建築コストを抑えられます。一方、町中でもよく見かける最も主流の屋根形状であるため、個性を出すのは難しいでしょう。

2. 片流れ屋根

片流れ屋根は、屋根の傾斜が一方向の形状で、スタイリッシュなデザインが特徴です。勾配の角度によっても印象が変わるおもしろさがあるため、屋根で個性を出したい人におすすめです。

片流れ屋根のメリット片流れ屋根のデメリット
構造がシンプルで建築コストを抑えられる
個性的なデザインに仕上がる
居住空間を広げやすい
雨どいの負担が大きい
外壁が劣化しやすい

片流れ屋根は、シンプルながら個性的なデザインに仕上がります。しかし、勾配が一方向のため、雨どいの負担が大きくなります。

また、屋根が下がっている面以外の三方は、他の屋根の外壁と比べて軒が短い、もしくは全く軒がない場合が多いです。軒のない外壁は日差しの影響を受けやすく、紫外線によって劣化しやすいというデメリットがあります。

3. 招き屋根

招き屋根は、切妻屋根の頂点をずらして一面だけ大きくした左右非対称の形状です。切妻屋根と片流れ屋根のメリットを取り入れたモダンなデザインで、おしゃれな印象になります。

招き屋根のメリット招き屋根のデメリット
建築コストが抑えられる
デザイン性が高い
雨漏りのリスクがある

ありきたりな屋根にしたくない場合は、デザイン性が高い招き屋根がおすすめです。主流である切妻屋根に変化を加えた形状であるため、他の住宅とかぶりにくくなります。

ただし、屋根と外壁が接している部分の雨仕舞いがしっかり行われていないと、雨漏りのリスクがあるのが難点です。

4. 差し掛け屋根

差し掛け屋根とは、2つの片流れ屋根を段違いに組み合わせた形状です。特徴のある形状であるため、屋根が外観のアクセントとなり、おしゃれに仕上げやすくなります。

差し掛け屋根のメリット差し掛け屋根のデメリット
おしゃれに仕上がりやすい
屋根裏を有効活用しやすい
建築コストがかかる
雨漏りのリスクがある

屋根が段違いになるため、屋根裏のスペースをロフトや吹き抜けなど、さまざまな形で有効活用が可能です。見た目にインパクトがある屋根にしたい場合は、差し掛け屋根がおすすめです。一方で、形状が複雑なので建築コストがかかり、雨漏りのリスクもあります。

5. 寄棟屋根

寄棟屋根は、四面の屋根を組み合わせた形状です。バランスが良く、落ち着きのある外観に仕上がります。

寄棟屋根のメリット寄棟屋根のデメリット
どのようなデザインにも調和する
雨風や日差しに強い
建築コストがかかる
屋根裏スペースが狭くなる

寄棟屋根はどのようなデザインにも調和しやすく、採用する人も多い形状です。軒が四面にあるため、雨風や日差しから外壁を保護しやすくなります。しかし、屋根が四面ある複雑な形状となり、建築コストが高くなるのがデメリットです。

6. 陸屋根

陸屋根は勾配がなくフラットな屋根形状です。木造住宅よりも鉄筋コンクリート住宅で多く採用され、キューブ型の家づくりなど個性的な外観を演出できます。

陸屋根のメリット陸屋根のデメリット
屋上スペースを有効活用できる
メンテナンスがしやすい
屋根裏空間がない
日差しの影響を受けやすい

陸屋根は屋上の物干しスペースやルーフバルコニーとして活用できます。一方で、屋根裏スペースがなく、日差しの熱が居住空間へ伝わりやすいため、断熱対策をしておくと良いでしょう。

7. 入母屋屋根

入母屋屋根は、寄棟屋根と切妻屋根を組み合わせた形状です。和風住宅で多く採用されている屋根の種類で、重厚感があります。

入母屋屋根のメリット入母屋屋根のデメリット
デザイン性が高い
耐久性が高い
建物への負担が大きい
建築コストがかかる
施工の難易度が高い

入母屋屋根はデザイン性が高く、頑丈です。しかしその反面、建物への負担が大きく耐震性は低くなります。施工の難易度も高く建築コストがかかるため、採用する人は少数です。

おしゃれな屋根にするための素材選び

おしゃれな屋根にするには、屋根の素材選びも重要なポイントです。素材によってデザインや形状のバリエーションが大きく異なるためです。

ここでは、おしゃれな屋根を演出する屋根素材を4種類紹介します。

1. 日本瓦

日本瓦は、粘土を焼いて作られる伝統的な瓦で、和風な印象になります。木造住宅に最適で、深みのある外観に仕上がるでしょう。

日本瓦のメリット日本瓦のデメリット
耐久性が高い
メンテナンスが不要
遮音性・断熱性・強度が高い
地震の揺れに弱く崩れやすい
施工コストがかかる

日本瓦は機能性が高く、メンテナンスが不要な素材です。しかし、高い技術力が求められるうえに、施工できる職人が年々減少しています。

日本瓦を選ぶ場合は、施工実績が豊富な建築会社に依頼するのがおすすめです。

2. セメント瓦

セメント瓦は、セメントと川砂を混ぜて作られた屋根材で、形状の種類やカラーバリエーションが豊富です。

セメント瓦のメリットセメント瓦のデメリット
デザインの種類が豊富
耐火性に優れている
強度が弱い
定期的にメンテナンスが必要

セメント瓦は住宅のあらゆるデザインに調和するため、統一感のあるおしゃれな外観に仕上がりやすくなります。一方で、衝撃に弱く、ひび割れが発生しやすいなどのデメリットがあります。

3. スレート(コロニアル)

スレート(コロニアル)は、セメントが主成分の材料を押し固めて作られる薄い板状の屋根材です。コストパフォーマンスが良く、多くの新築住宅で使われています。

スレート(コロニアル)のメリットスレート(コロニアル)のデメリット
デザインの種類が豊富
軽量で建物への負担が少ない
安価で施工性が優れている
耐久性が低い
防水性が低い
定期的なメンテナンスが必要

スレートは安価でデザインの種類が豊富です。屋根の形状に合わせた色や形を選べるため、まとまりのある外観に仕上げられます。

しかし、衝撃によるひび割れや破損が発生しやすく、定期的に塗装工事などが必要です。

4. トタン

トタンは、薄い鉄板を亜鉛メッキで覆ったトタン板で作られた金属屋根です。住宅や工場の屋根など、さまざまな建物で使われています。

トタンのメリットトタンのデメリット
ひび割れしない
軽量で建物への負担が少ない
水はけがよい
価格が高い
凹みやすい

トタンは安価かつ軽量であるため、建物への負担は軽く済みます。しかし、雨音が響きやすく、熱を伝えやすいのがデメリットです。

また、金属の性質上、サビが発生しやすいため定期的なメンテナンスが必要です。

5. ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、金属鋼板をアルミニウムや亜鉛、シリコンでメッキした金属屋根です。軽量で建物に負担をかけず、また割れにくいガルバリウム鋼板は住宅の屋根にはもちろん、外壁材としても重宝されています。

ガルバリウム鋼板のメリットガルバリウム鋼板のデメリット
錆に強い
軽量で耐震性に優れている
防音性が低い
断熱性が低い
サビが発生しやすい

ガルバリウム鋼板は軽量かつ、ひび割れや水耐性の高い素材です。しかし他屋根材と比較すると購入時の価格は高いです。ただひび割れなどが起きにくい分、以後のランニングコストにて抑えることができます。

ただし、ガルバリウム鋼板の厚さは0.4mmほどしかないため、台風などで屋根にものが飛んできた際に凹みやすいため、注意が必要です。

自然災害による被害であれば、火災保険が適用される場合もあるため、もしもの場合は一度保険会社へ相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ:屋根の形をおしゃれに仕上げよう

屋根の形をおしゃれにするポイントや形状、素材選びなどを詳しく解説しました。

屋根の形を決める際は、まず外観をどのようなイメージにするか、全体の大枠を決めましょう。その後、屋根の形状や素材、勾配や軒の出し方など細部を決めるとバランス良く仕上がります。

屋根は外観を印象づける重要な部分であるため、素材や形状にこだわり、おしゃれな屋根に仕上げましょう。

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